位舞志朗の健康談話 朝型人間は、仕事ができる。

世の中の成功者は、いろいろな局面で「早さ」に秀でている。意思決定、行動、仕事などいろいろあるが、「朝」もそのひとつだろう。朝の4時、5時頃の街の風景を見ていると、ジョギングや散歩、マラソンなどをしている人がいかに多いかを知ることができる。
よく、朝の1時間は夜の3時間に匹敵すると言われる。実際、朝目覚めた後の脳は、実にすっきりしている。それに、朝の時間は始業なり登校するまでの時間で、限られているところがポイントだ。ここに大きな意味がある。脳は一定の負荷をかけると、それを乗り越えようとする特性を持っているのだ。とくに時間制限という負荷をかけると、その時間内に与えられたテーマを遂行しようと普段の何倍もの集中力を発揮する。この集中力が、通常よりはるかに質の高い仕事や勉強を可能にする。世の中の成功者に朝型が多いのは、ここに由来するのだ。
逆に、夜は時間が長い。制限時間に縛りがないので集中力も散漫になりがちだ。まだ時間はあると思った瞬間から、脳の緊張感は緩んでくる。もちろん個人差があり、夜型の人が存在することは否定しない。ただ人類の歴史上、夜の活動を可能にしたのはここ100年くらい、電気が発明され一般化してからだ。それ以前何百万年もの間にも渡って築かれたDNAには、早起きの習慣が刻み込まれている。文明の発達は夜の活動を活性化したが、同時にがんや高血圧、糖尿病などの現代病も生み出し、その原因を生活習慣の変化に求める医療関係者は多い。
一度早起きを経験してみるといい。人生が変わるだろう。昔から、「早起きは三文の得」と言われる。三文は現代の貨幣価値からすると80円程度だ。決して大きなお金ではない。だが、その言葉に含む意味は大きい。早起きをして仕事にいそしむ勤勉さに一文、規則正しい生活により得られる健康に一文、早起きによて生まれる時間的な余裕に一文。金額の大小ではなく、三つの効用を説いた言葉なのだ。だから今の時代でも生きている。