位舞志朗の健康談話 理論的に納得できる糖質制限。

いま、糖質制限が世間で注目を集めている。ダイエットに、がん治療に、糖尿病治療にと、守備範囲も年々広がっている。でも、その反面、まだエビデンスがないゆえ危険だとする指摘する声も多い。私は医者ではないが、自分で一年半試してみて、確かに効果はあった。それも結構緩い糖質制限でだ。体重は落ちたし、ウェストは細くなったし、血圧も下がった。しかも、体調は絶好調だ。もちろん体質によって違いはあるだろうし、白米やラーメン、パンなどは絶対に止められない、と言う人も多いと思う。それはそれで個人の問題だからいいと思う。
ただ客観的に炭水化物と人間の関係を歴史的に見てみると、意外と炭水化物は重要視されていなかった。人類の誕生を旧石器時代とすると、今日まで約250万年という気の遠くなる長い年月が経過している。そのうち約249万年は、炭水化物は主食ではなかったのだ。炭水化物が主食として定着し始めたのは、エジプトからメソポタミア一帯で小麦の栽培が始まった最後の1万年前位からと言われている。つまりそれ以前の人間は、狩りの獲物であるで肉、川の小魚、木の実、葉、木の根などを主な食糧していた。現代の栄養素別に言うと、タンパク質、脂質、ビタミンなどが中心で、炭水化物は木の根などに含まれている少量でしかなかったのだ。その摂取量は、全栄養素のうち5〜10%位だろうと言われている。つまり、人類の歴史の圧倒的年月は、炭水化物をほとんど摂取していなかったのだ。
だから炭水化物を現代のように大量摂取すると、体はざまな異変を起こす。がん、糖尿病、高血圧などの生活習慣病はその典型的な例だろう。でも、美味しさを優先するか、健康を優先するかは、あくまで個人の自由だ。