虚空の人(三)
領事館の職員がモスクワに住むステパノヴィチ・ワホーヴィチの兄に連絡を入れたらしい。パリに住むという叔母のラリーザが、漢口までキヨスキーを引き...
競馬と文学と童謡と……
領事館の職員がモスクワに住むステパノヴィチ・ワホーヴィチの兄に連絡を入れたらしい。パリに住むという叔母のラリーザが、漢口までキヨスキーを引き...
~北千住と門人たちの謎~ さて、「北千住の仙人」橋本律蔵という人は、どうして「自然真営道」百巻九十三冊を秘蔵していたのだろうか。彼の先祖は...
その数奇な人生の幕開けは、ロシアのニコライ皇太子の来日という物語から始まる。大泉黒石という、今や知る人ぞ知るアナキスト作家の話である。 ...
さて「トンと分からぬ」安藤昌益のことを書くに、様々なことに触れなくてはならない。既に判明確定していること、そこから浮かび上がる様々な「安藤昌...
大泉滉という俳優がいた。性格俳優と言われ、怪優とも評されていた。往年、人口に膾炙した役者ではなかった。知る人ぞ知る個性的脇役であってスターで...
数年前、ある出版社にお世話になっていたおり、二人のシリア人の青年と出会い、何度か親しく話をする機会もあった。彼等は日本語学校で学びながらアル...
イベントに於ける私の師匠筋に当たる人は、白川良信(よしのぶ)という。「しらやん」とか「和尚」と呼ばれていた。浅草の寺の次男であるらしく、僧侶...
昭和三年、亨吉は「世界思潮」に「安藤昌益と其著自然真営道」を発表した。昌益を語るに、漸う自ら筆を執ったのである。 「安藤昌益の名が文献に見...
私が安藤昌益の名を初めて知ったのは、高校の歴史の授業だった。その教科書には「農本主義」と記されていた。今でも覚えているのは当時の試験問題であ...
エルンスト・F・シューマッハーは、ドイツ生まれのドイツ人で、ユダヤ系であったためドイツを離れ、イギリスの経済学者として、その著作と活動で名を...