位舞志朗の健康談話 ミネラルを軽視してないか?

「健康を維持するためには、栄養バランスのとれた食生活が大切だ」。誰でも一回や二回は聞いたことのある言葉だと思う。では、栄養とは一体何なのだろう?よく雑誌の健康特集などに登場するのは、炭水化物にタンパク質、それに脂質にビタミンだ。でも、これらの栄養分をいくらバランスよく食べても、その栄養分が分解され、体内に吸収されないことには何の意味もない。そこで重要な役割を果たすのがミネラルだ。人間の健康は、ミネラルなくしては成り立たないと言っても過言ではない。
人間の体は一種の精密な化学工場と同じで、毎日数十億とも言われる化学反応が行われているが、その化学反応を促進させる重要な役割を担っているのがミネラルだ。ミネラルの重要性は、いろいろな有名学者が指摘している。アインシュタインとともに20世紀でもっとも化学に貢献し、化学の父とも呼ばれたライナス・ポーリング博士は、「すべての病気は、突き詰めていくとミネラル不足に辿り着く」と断言している。また,ミネラルにもっとも精通した専門家、ゲーリー・プライス・トッド博士は、タルサという街の講演で、「この街に住む成人がみな、毎日2オンス(約60ml)の植物由来のミネラルを摂れば、今年の終わりまでに、この街の病院の半分は閉鎖されるだろう」とまで言っている。これらの言葉は、ミネラルを充分に摂取していれば、病気にはならないと言っているのと同じだ。
カルシュウム、ナトリウム、カリウム、リン、硫黄、塩素、マグネシウムなどに代表されるミネラルこそが、私たちの健康の土台を支えているとも言えるだろう。アメリカの西部開拓史は、多くの人が昔映画で見たことがある思う。ヨーロッパから移民してきた人達が、幌馬車に乗ってアメリカ大陸を西へ西へと移動する物語だ。この西部開拓史、実はミネラルを求めての移動だったとする説がある。実際、アメリカ中西部は緑の少ない乾燥地が多い。つまり、作物栽培に適した肥沃な土地ではなかったのだ。そのため健康な生活が維持できず、新しい土地を求めて西へ西へと移動を繰り返したとされる。つまり、生きて行くための必須栄養素であるミネラルを求めての旅だったのだ。